第12章 ♤キズを癒やす手（牛島若利）完結

「白布の友達…か？」

「えーー？彼女でしょー？
あれはどうみても（笑）」

「む………そうか」

そう、この言葉で
俺の心は痛みを覚え

「賢二郎もやるよなー♫あーんな子と
色々してんだもんなーぁ♫」

その言葉で
張り裂けんばかりの
苦痛を覚える

寄り添う二人に湧く
例えがたい感情

名前も知らぬ下級生の
しかも後輩の彼女
手に入るわけもない

それでも
その彼女に止まらぬ衝動

その目に俺を写し
その口で俺のを名を呼べ

そう願ってしまう

何だ？これは？
芽生えた不確かな感情を
持て余し押し殺した