夢幻回廊【裏夢専用✣ハイキュー!!✣弱ペダ✣テニス】
第1章 無色透明の君(荒北靖友)完結
東堂side
全く荒北のヤツ何を考えているんだ!
女子をこれ程まで落胆させるなど
考えられん
ただ…あの野獣の様な男が
すぐに手を出さなかった
理由はわからなくもない
彼女は…清すぎる
手を触れたらたちまち汚れそうで
力任せに抱けば脆く壊れそうなのだ
彼女は自分に魅力がないから
荒北が自分に触れず
他の女に行ったと思っていた
荒北の過去の女に嫉妬する
自分を恥じていた
彼女が恥じいる事など
塵程もないというのに
泣き止まない彼女に俺の手が伸びる
そっと肩を抱くと真っ赤な目で俺を見上げる
止めどなく落ちる涙さえ美しく見えた
「布施…」
『東堂くん?どうしたの?』
仲間の彼女に手を出す程
節操なしではないはずだ
「もう泣くな…荒北などやめて
俺の彼女になれ…#姫凪…
俺ならお前を泣かさない」
でも…無防備に俺を見つめる
綺麗な女に欲情せぬほど
老いてはおらんのだよ
彼女の身体をキツく抱きしめた
『え!?やだ!東堂くんやめて!離して!』
「すまんな…ここで止めれる程
大人ではないのだよ…
大丈夫…すぐ何も考えられなくなる」
彼女の耳に息を吐きビクリと
震える身体をゆっくり撫で回す
背中を指でなぞればギュっと制服が掴まれた
「可愛いな…姫凪は…
気持ちいいのか?」
俺の言葉で耳まで真っ赤に染まり
小さく首を振る
仕草ひとつひとつが愛らしい。
なのに
『東堂くん…ダメだよ…私は荒北くんが…』
口から出る言葉は
耳を覆いたくなるものばかり
「荒北は今俺に抱かれてるキミを
愛しいと言うと思うか?」
自分で言ってて嫌悪感で吐き気がする
こんなやり方フェアじゃない
彼女の目からはまた涙が
とめどなく溢れ俺の制服を濡らしていく
「姫凪」
彼女の身体をもう一度強く抱いた。
すると
『東堂くん…私はもし荒北くんが
私を許してくれなくても…
ずっと荒北くんを好きだと思う』
俺の腕の中で小さな、でも強い声が響く
「姫凪、キミは荒北を許せるのか?
キミが居るのに他の女に欲情するアイツを…」
『わからない。もしかしたら
許せないかもしれないけど…
それでも好きな気持ちは変わらない。
それだけは解る』
泣いているのになんて強い目だ…
敵うはずもない…