夢幻回廊【裏夢専用✣ハイキュー!!✣弱ペダ✣テニス】
第1章 無色透明の君(荒北靖友)完結
姫凪side
荒北くんを迎えに部室に行った
当たり前のように福富くんとの
掛け合いが聞こえてくるって
疑わなかったから躊躇なく扉に近づいた
中からは女の人の声と荒北くんの声
状況が理解できないまま動けないでいると
女の人の声はドンドン艶っぽくなって
「してぇよ!バァカ!」って言葉の後
中からドンって音がした
開けない方が幸せだって
頭では理解できてた
でも私の手は扉を開けてた
押し倒された女の人の腕が
荒北くんの首に絡みついてて
今にも唇は触れ合いそうで…
愛してる?荒北くんを?
荒北くんはその人とその続きをしたいの?
私には触れない荒北くんが他の女の人には
躊躇なく触れてるのを目の当たりにして
もうどうしていいかわからなくて
その人の名を呼び捨てる
荒北くんの声を聞くことさえ辛かった
私がお子ちゃまだから?
あんな事したら私が怖がるから?
泣きそうになるから?
怖いよ…
した事ないから
泣きそうにもなるよ…
でもそれは怖いとかじゃないよ
好きな人に求められるのは
嬉しい事だから
今泣いてるのは…
付き合ってすぐ他の人に
取られるとか笑えないから…
こんな状態ではもう授業どころじゃない。
早退届を出し学校を後にしようとしたとき
「ん?布施早退か?
って!顔色が真っ青だぞ!?
なにかあったのか!?」
同じく帰るところだった東堂くんと会った
『ん…チョット…。東堂くんも早退?』
「あぁ、家の用事でな。
フム…熱はないようだな。
まさか荒北に何かされたのか?」
東堂くんが私のおデコに手を当てる
『…!なにも…ないよ…!じゃ!』
話を切り去ろうとした時
「具合が悪いのでないなら
俺の家に来ないか?落ち着くまで
お茶でも振る舞おう」
東堂くんが腕を掴んだ
『え?家??東堂くんの??』
「ん?どうした?あぁ、心配するな。
荒北は一応仲間だからな。
その彼女に手を出す程
俺は節操なしではないのだよ」
『そうじゃなくて!なんで?
私に構うの?東堂くんには
関係ないのに…』
「女性がそんな顔してる時に
放って置くような教育は
受けてないのだよ。
ま、布施が嫌だと言うなら
このまま帰るがな」
嫌…じゃない。私は…聞いて欲しかった
一人ではもう処理できない