第8章 ◎俺の素顔②（忍足侑士✣続編）完結

『遊び人？侑士さんが？』

「…知らんかったん？アイツ
あっちこっちに女作ってたんやで
まぁ、今は大人しくしてるけど
心配やな～…」

『うそ…侑士さんがそんな事…』

信じたくない…

「別に信じんくてもえぇけど…
ユーシって異様にﾗﾌﾞﾎとか
詳しいない?」

ケンヤさんの声が耳に響く
他の人ともあんな事…
しかも沢山…どうしよう…
嫉妬でおかしくなりそうだ
昔の事を気にするなんて
馬鹿げてる…解ってるのに
止まらない…

「姫凪？」

『すいません・・ﾔｯﾊﾟﾘ今日は
帰ります…』

俯いたまま言うと

「ほな、送ったるわ」

ケンヤさんが私の手を握る

『いえ…1人でいいです…』

「1人やと、またｲﾁﾞﾒられるで
ほら行くで」

私の言い分を無視して歩き出す
なんでこうなっちゃうの？
ケンヤさんって強引だな…

「ほな、またな～」

『あ…ﾊｲ。ありがとうございました』

「次はデートしよな♡ 」

『しません!さよなら！』

「ﾊﾊﾊ♪ﾑｷになった顔もナカナカ
かわえぇよ♪ほなな♡ 」

ケンヤさんは明るい顔で笑って
走り去っていった
ケンヤさんの笑顔とは逆に
私の顔は暗かった

嫉妬なんて初めてだったから
どう対処したらいいかわからない
イライラする度空しくなる
ぶつけられない苦しみで
窒息しそうだ…