第6章 オレのモノ（丸井ブン太）完結

「昨日なにしてたんだっけ？」

『駅前で買い物だって
昨日も言ったよ？』

「誰と？何かデッケー男と
歩ってただろぃ？なぁ、
あいつ誰？
どーゆーつもりなわけ？」

『え？歩の事？？歩は…』

姫凪の口から出た名前は
確かに昨日聞いたｿﾚと一緒で
俺の頭には昨日の2人の光景が
鮮明にリピートされた

その時俺の中で溜まっていた
黒いものが吹き出していく

「歩っていうんだ？で？
その歩ｸﾝと腕絡めて買い物して？
部屋で2人っきりで
ｹﾞｰﾑしたんだろぃ？そんだけ？
それとも、もーっと楽しい事も
やっちゃったり？？」

『ちょっと待ってよブン太！
歩とは…』

「他の男の事なんか
名前で呼んでんじゃねーよ！」

叫んだあと、我に返って
姫凪見た
姫凪は唇を噛みしめ
必死に涙を堪えていた。そして

『…もういい…ブン太のバカ…』

俺を睨み背を向けて
教室を出ていった
そのまま姫凪の席は
午前中埋まることはなかった

何度かLINEを送ろうとする
けど、勇気が出ねぇ…

【ゴメン言い過ぎた】

って画面でフリーズしてる

「それ、早く送ったほうが
いいんじゃなか？」

後ろから仁王の声がした