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【刀剣乱舞】守護者の恋

第8章 本丸の最期


彼女の遺言通り、束穂の力で本丸を過去に維持をすることは可能だ。
そして、現代に現身を持って「紐づいて」いる状態ならば、束穂の力で本丸を現代に戻すことも。それがなければ審神者の死と共に彼らは過去で路頭に迷ってしまっていたに違いない。
そして、束穂は過去に遡る力はないから、一度戻ったら完全にそこでプロジェクトは終了となる。
三人はそう時間もかからず「このまま、何もなかったように日々出陣をしよう」と決めた。彼らをそうさせるために審神者は彼らと出会ったのだし、彼女が最後までひとことも自分の残された命に愚痴ひとつ言わなかった以上、自分達もそうでありたいと願ったのだ。
「折れなければ、そのうち主の力の加護が切れて、魂となって消えるまで。それまではこのままで良いではないか」
と石切丸。
「我々は何一つ悲観をすることはない。もとに戻るだけだ。それまでの残りわずかな時間、もう少し共に過ごしてくれるかい」
三日月はそう言って、自分達が下した決断を束穂に伝えた。
束穂は静かに
「もう少しの間、皆様のお世話をさせていただきます。よろしくお願いいたします」
と頭を下げた。
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