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【刀剣乱舞】守護者の恋

第1章 守護者の日常


うっすらと障子から差し込む朝の光を感じ取り、ゆるゆると目覚めた御手杵はぼそりと呟く。
「あー……今日の朝メシなんだろ……」
なんたる欲望のままのセリフか、と、とうに布団を畳み終わっている同田貫は、未だ布団から出ない御手杵を掛け布団の上から軽く蹴った。
「焼き魚の匂いしてっけど。早く起きろよ、あんたでこの部屋最後だぜ」
「へっ、まじで」
「他のやつら、今日は給仕担当だからさ」
「あ、そういう」
少し安心したように、のそりと御手杵は体をようやく起こした。ぐるりと見渡せば、一緒に寝ていた残りの3人――その部屋は5人で寝泊まりしているのだが、部屋によって人数は違う――の姿は既にない。
現在の本丸には刀が30振ほどいる。
その中から内番を命じられた者、出陣予定の者を除き、食事の給仕担当が決められていた。
30人が一斉に食べるのだから、配膳は要するに給食当番みたいなことになるのだが、それは歌仙でなくとも「雅さに欠ける」というか、野暮ったい。
せめてきちんと盆によそったものを運ぼうではないか、というわけで、配膳と食後の皿洗い当番が決められた。
「つうか、焼き魚もさあ、30人分どーやって焼いてんの」
突然そんなことを思いついて、布団を畳みながら御手杵は話を振る。
顔を洗いに行こうとふすまに手をかけた同田貫は呆れながら
「知らねーよ。束穂に聞けばいーだろ」
「だって会わねーんだもん」
「あー、そっか、あんたほとんど毎日出陣してんもんな」
「昼間ここにいれば会えるのか?」
軽く首を傾げる同田貫。
「んー……掃除してるところ、無理矢理声かけるぐらいかな。こっちにいるときゃ大体何かしら動いてるから声かけづらいんだよなあ」
「だろ?仕事終わればすぐ離れにいっちゃうし……無口だし、大体あの人いくつぐらいなんだろな。頭巾かぶってるから顔わかんねーじゃん」
「さあな。俺たちよりゃ若いんじゃねぇの」
「馬鹿じゃねーの、当たり前だろ」
わはは、と笑う御手杵を残して、同田貫は部屋から出て行った。
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