第4章 動き出すふたりの思い
松本side
お礼...何の?
「...ん...じゅ」
潤「...」
智「ねぇ!潤ってば!」
潤「うへ!?は、はい?」
智「も~何ぼーっとしてんのさ今日の天気はって聞いてんの~」
潤「あ、はいえっと今日は曇りです」
智「曇りか...」
・・・もしも。
もしも智さんの目が見えるようになったとしたら。
最初に智さんの目に映るのはなんだろう。
僕じゃなく二宮の姿だろうか...
智さんの美しい横顔を眺めながらそんな事を考えていた。
智さんの目に映るのが俺ならいいのにとも。
潤「本日の予定は?」
智「今日は缶詰、あと2作仕上げないと」
潤「テーマは?」
智「んー何となくビジョン浮かんでるし大丈夫だよ
それと、お昼は影山くんとこに頼んどいて」
潤「わかりました、サンドイッチでいいですね?」
智「うん、よろしく!」
そう言って智さんはアトリエに入った。
俺はお昼の手配をして家を出た。
どこに向かう訳でもないがただ車を走らせた。
“嫉妬”
智さんに恋する前はいくらでもしていたのに。
智さんにはそういうのないとタカをくくっていた俺は二宮の存在嫉妬していた。
でも運命は俺が望むものとは違う方へ動き出していた。