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blind love【気象系BL】

第2章 手と声と顔と


二宮side


身体を支えていると大野さんが安心したのかなんなのかいきなりずるっと滑り落ちるように地面に座った。

いきなりでびっくりした俺は

和「わわ、大野さんっ。大丈夫!?」

智「あ、は、ぁ大丈夫です」

和「立てます?手貸しますよ?」

智「すみません。あ、ありがとうございます」

和「いえいえ。はい」

と言って手を差し出した。

大野さんの手を握る。

握った瞬間。
大野さんの表情が驚きの表情になった気がした。

大野さんを立たせて、怪我をしていないか聞いた。

智「……」

和「あの…」

智「あ!はい、な、ないですどこも!」

よかった。
あっ、そうだ。
雅紀に今度会ったらお礼を言えって言われたんだった。

思い出した俺はお礼を言おうとした。

和「いえいえ…あ、あの…」

その俺の言葉にかぶせて大野さんはいきなり

智「名前!」

と言った。

和「へ?」

情けない声が出た。


大野さん曰く、お礼をしたい、って。

別にそんなの良いのに…と思いつつも名前と連絡先を教えた。

そして大野さんと別れる。



って俺、お礼言ってねーじゃん!

慌ててさっきのところへと戻る。
でも、あたりまえだけど大野さんの姿はもうなくて。


…まぁいっか。

連絡先は教えたし。

いつか連絡がかかってくるはず。

その時にお礼を言おう。

その時俺は何故か、
大野さんとまた話すことが出来る
という言い様のない嬉しさがこみあげてきていた。

和「大野智…かぁ…」

家に帰ってから気が付けば大野さんのことばかり考えていた。
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