第2章 夏希の場合
昔から、夏希はそういう異常現象に巻き込まれやすかった。
霊感のある友人には、「お前、霊感あるくせに使えてないな。あれだな、お前はホイホイだよ。ホイホイww」と言われている。
ホイホイってなんだよ!!とよく言い返していたが、今やっとわかった。
「・・・ホイホイって、巻き込まれやすいやつのことだったんだ」
無意識に、ため息が出る。
そういえば、帰り際にその友人が自分のことを呼び止めていたことを、夏希は思い出す。
「おい夏希。一緒に帰らねえか?」
「は?どうして。俺とお前、帰り道逆じゃん。帰れないよ」
「・・・んじゃ、お前んち泊めて」
「無理」
「そこをなんとか」
「親にしばかれるって。急に人連れてったら」
「ぐっ」
「俺もう帰りたいんだけど。明日バイトあるし」
「・・・分かった。じゃあ、これ持っとけ。なくしたりすんなよ?」
「うん」・・・
一連の会話を思いだし、夏希はグシャグシャと頭を掻く。
「あああ。あれ、心配してくれてたんじゃん。ほんと、俺はバカだぁ~!!!」
しばらく頭を抱え込んでいた夏希は、急に思い出したように顔をあげる。
「そうだ!あいつに電話!!」
すぐにケータイを取りだし、電話を掛ける。
奇跡的にも、電話は繋がった。
『うぃっす。夏希か?どしたし』
「巻き込まれた」
『・・・今どこ』
「電話内だよ。全然駅につかなくってさ。。一人だし」
『まじか。お守りちゃんと持っとけ。あと、オカ板チャットに書き込め。助け求めろ。おれの知り合いに電話しとっから。ちなみに、おれは助言できんからな』
「・・・わかった、何とかしてみるよ。よろしく」
ピッという音と共に、電話が切られる。
夏希は友人がくれたお守りを握りしめ、オカ板のサイトを開いた。