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きさらぎ駅

第2章 夏希の場合


長々と続いているオカ板チャットを閉じ、夏希は「はぁ」とため息をつく。
人数の減った快速電車が、ガタンガタンという音を立てながら、夜の闇の中を進んでいく。
「あ~あ。こんなに長引くなんて、思わなかった。知ってたら、帰ったのに・・」
今日は、クラスで打ち上げが行われた。
学校で行われた合唱コンクールで、夏希のクラスが優勝した。
その打ち上げが、今日行われたのである。
打ち上げは夏希が思っていたより長引き、結果十時頃まで行われた。
今はその帰り道であり、夏希は暇潰しにオカルト掲示板のチャットを眺めていたのであった。
チャットではある話題が上がっていて、みんながその話題で討論(?)していた。
パタンとケータイを閉めた夏希は、面白くなさそうに呟いた。
「こんなの、あるわけないよ・・・。完全に釣りじゃん。何で気づかないかなぁ?」
"きさらぎ駅"
そんな駅があるという噂を聞いたこともなければ、流行ったこともない。
ただの嘘話。
夏希は、そう軽く考えていた・・・。

「・・・おかしいな。もう、駅についてもいい頃なのに」
ケータイの時間を確認し、夏希は呟く。
いつもならとっくに着いている筈の終点駅に、今日はまだ着いていない。
ふと周りを見回すと、先程までいた乗客がいなくなっていた。
一人残された夏希は、やっと異変に気がついた。
「え、駅に止まってないのに、何でみんないなくなって?」
いくつかあるはずの途中停車駅にまだついていないにも関わらず、乗客が誰一人として乗っていない。
不安になった夏希は、他の車両を探索するために立ち上がった。
2両目、3両目、4両目・・・いくら探しても、人一人見当たらない。
「うわぁ~・・・。巻き込まれた」
夏希は、また自分がそういう異常現象に巻き込まれたことを悟った。
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