第22章 其の女【薄桜鬼】
噴き出した潮が俺の腕を伝い、肘からぽたぽたと滴り畳に染みを作った。
其れでも未だ生肉を捏ね回す様に中をぐちぐちと弄ってやれば
「や……駄目っ……
達ってる…からっ……」
俺の責めから逃れようと腰を捩る。
「止めてやれねえっつったろ?」
腟壁を掻き毟る勢いで指を抜き、其の潤けた指で後ろの窄まりを突く。
「……こっちも慣れてそうじゃねえか。
物欲し気にひくついてやがる。」
「其方は……」
「ああ?
いけんだろ?」
「ひいぃっ……」
想像通りの窄まりは難無く俺の中指を受け容れた。
はっ……
此方も開発済みかよ。
何れ程にが其の《最愛の人》とやらに耽溺していたのか…痛感しちまうな。
前を弄った時とは全然違う感触に逸る指。
滑らかな中に点在するこりこりとした部分を指先で圧し込む度に、前からとろりと粘液が漏れ出す。
「随分と悦さそうだな、。
また果てちまっても良いんだぜ。」
「………駄目。」
「駄目なもんか。
構わねえから、お前の好きに……」
「駄目なの……
後ろで達っちゃ駄目って……
何時も……」
譫言の様にそう言ったは、唇を噛み締め必死で快楽に抗っているみてえだ。
へえ……そういう事かよ。
《何時も》《尻で果てる》のは許して貰えなかったって訳だ。
中々に達者な技倆じゃねえか。
そうやってを心身共に此所迄雁字搦めにしたって寸法か。
じわりと俺の中に湧き上がる醜悪な感情。
『手前ぇの好きに抱いてやる』とは言ったが、俺にだって譲れねえ矜持が在る。
「じゃあ………
後ろだけで達かせてやるよ。
なあ、意識飛ばすんじゃねえぞ。」
そう低く告げた俺に組み敷かれているは、複雑に揺れる表情を隠す様に為て……
強請るみてえに小さく喉を鳴らした。