第19章 憧憬なんかじゃない【恋愛幕末カレシ】

口の中からソレが抜かれた瞬間、ゲホゲホと噎せ返ってしまう私を

「…………
　ああ…とても愛おしい。」

慶喜さんはそう言って力強く抱き締めてくれる。

「大丈夫かい？
　苦しくはないかい？」

飲み損ねた白濁が滴る顎を丁寧に拭きながら私を気遣う慶喜さんの事が、私だって堪らなく愛おしいよ。


抱き締め合うのは初めてじゃないけれど今はお互いが素肌を晒しているせいで、その熱も湿り気もダイレクトに感じてる。

その間に私の背中をやんわりと擽る慶喜さんの指先に、ピクリと身体を弾ませた。

「ふふ……敏感なのだね、は。」

「だって……慶喜さんが……」

「私が…好き？」

「ん……」

「私が……欲しい？」

「ん……」

「駄目だよ、。
　ちゃんと言って。」

慶喜さんは魔法使いだ。

その声と視線だけで私の身も心も搦め取って自在に操る。

「さあ……
　欲しい…って、言ってごらん。」

だから私は自分でも分かる位に顔を真っ赤に染めて………

蕩けた視界を滲ませて……

「欲しいの。
　慶喜さんが欲しい。
　慶喜さんの全部……頂戴。」

驚く程素直に、慶喜さんを求めた。


殊更満足気に表情を緩ませた慶喜さんにそのままトスンと押し倒され、穿いていたショーツからあっさりと両脚を引き抜かれる。

強張って固く閉じた太股を解すように優しく撫で回した後、慶喜さんの手は私の両膝裏を掴んで大きく広げると共に押し上げた。

「やっ………」

当然丸見えになってしまうアソコに慶喜さんの視線が注がれているのを感じる。

それなのに……ううん、だからこそ？

私の潤いは誤魔化しようも無く増していった。