第6章 嫉妬と衒気【薄桜鬼】
「ちゃん。
お邪魔しても良い?」
「沖田さん?
どうしたんですか、こんな時間に。」
「ん~…
今夜は土方さんも居ないし、
ちゃんが寂しがってるんじゃないかなぁって思ってさ。」
「そんなっ……
寂しいなんて……」
「そんな真っ赤になって否定しても説得力無いよ。
ちゃんと土方さんの事は皆知ってるんだし。
ふふっ……
ちゃんって本当に素直で可愛いなぁ。」
「もう…からかうのは止めて下さい。
沖田さん。」
「ごめんごめん。
それでね、一寸ちゃんにお酒付き合って貰おうと思ってさ。」
「お酒…ですか?
私、あまり飲めませんけど……」
「うん。
だから土方さんが居る時にちゃんを誘ったら
僕が怒られちゃうでしょ?
でも今夜は土方さんも居ないし、折角の機会だから。
………駄目?」
「………………。」
「やっぱり土方さん以外の男と一緒に居るのは不安?」
「そんな事っ……
沖田さんなら大丈夫です。」
「じゃあ一寸だけ………ね?
ちゃんでも飲めそうな甘いお酒を用意したんだよ。」
「じゃあ……少しだけ。」
「良かった~。
はい、じゃあこれ、お猪口。
注ぐね。」
「……ん。」
「どう?」
「………美味しい。」
「本当?」
「はい。
甘くて凄く美味しいです。」
「喜んで貰えて嬉しいよ。
ちゃんの為に選んだんだ。」
「ありがとうございます、沖田さん。」