第3章 第参ノ獄.行方
白澤が言った最悪の状況に、鬼灯の眉間の皺は深くなった。
「…とにかく、麗紅さんを探しましょう。何か手がかりはありませんか?」
「手がかりったって…天国の亡者たちはそんなことしないだろうし…」
2人が頭を悩ませていると、桃太郎が思い出したように口を開いた。
「そういえば、薬が出来上がるのを待っている時、麗紅さんすごく上の空でしたね」
「確かに…いつもはちゃんと話を聞いてくれるのに、あの時は受け答えも少なかった…」
「では、何が原因なんでしょうか?」
「うーん…あ、薬をもらった後、慌てた獄卒の方がやって来て麗紅さんに助けを求めてたんですよ。亡者が暴れたとかで…」
「それぐらい自分達でなんとかすべきなんですが…まぁそれは後ででいいです。他に何かありませんか?」
「そのまま麗紅さんも地獄に戻って、その後はわかりません…」
「それこそ、閻魔大王に聞くのがいいんじゃない?僕も一緒に探すよ。桃タロー君、店番よろしくね」
「はい!」
「こんな極楽蜻蛉でもいないよりはマシか。さっさと行きますよ白豚」
「だから白豚じゃねぇ!」
鬼神と神獣は喧嘩をしながらも、協力して大切な者の行方を追うことにしたのだった。