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怨みの果てに【鬼灯の冷徹】

第2章 第弐の獄,ある日の事件



ある日、鬼灯が現世視察から帰ってくると、部屋にいるはずの麗紅がいなかった。まだ仕事をしているのかと思い、閻魔大王に聞くと、鬼灯が視察に行った日から仕事に来ていないのだと言う。それどころか、誰1人として麗紅の姿を見ていない。
鬼灯は嫌な予感がして、閻魔大王と協力して麗紅を探し始めた。
色々な獄卒達から情報を聞き出すが、何の手がかりも得られないまま時間が過ぎていった。
そして天国の方にも情報を聞きに行くため、鬼灯は牛頭と馬頭がいる門に来ていた。

「あらぁ〜鬼灯様、そんなに急いでどうしたの?」

「麗紅さんを見ていませんか?行方がわからないんです」

「えぇ!?それは大変!」

「でも確か、一週間前に天国へ行ったきり帰ってきてないわ」

「天国へ…?」

「えぇ、いつもの薬を白澤様から貰いに行くって言ってたわ」

「…わかりました。ありがとうございます」

そう言って急いで天国へ向かった鬼灯は、白澤が開く店、極楽満月の扉を思い切り開けた。

「おい白豚!」

「な、なんだよ急に!ていうか白豚じゃない!」

「麗紅さんを知りませんか!一週間前、ここに来たんでしょう!?」

「麗紅ちゃんなら、確かに一週間前に来たけど…どうかしたの?」

「ここ一週間、私が視察に行っている間姿が見当たらなかったらしいんですよ。仕事にも来ていないそうで」

「えぇ!?あの真面目な麗紅ちゃんが!?」

「えぇ、彼女には有り得ないことです。何か嫌な予感がしてならないんですよ」

白澤は顔をひきつらせ、まさか…というように言った。

「それってもしかして…」




ーーー誘拐されたとか…?ーーー




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