第3章 離さない、汚してあげる。
震える牡丹を見て、ハヤトは笑う。
「そんなに怯えないでよ。
大丈夫今日は昨日と同じことしないよ。」
その言葉に安心する牡丹。
ハヤトは笑いながら話を続ける。
「餓死されては困るからね。
一緒に食べよう。」
「え…。」
「そこに座って。」
ハヤトは隣の椅子を指差す。
牡丹は怯えながら座る。
座ってみた、
よかった。本当に何もされない。ふう…とため息を漏らす牡丹。
「食べたら僕の部屋に行こう。」
「え…?は…はい。」
ハヤトの部屋に行く事の意味を理解していないけど、咄嗟に返事をする牡丹。
牡丹は半ば怯えながら朝ごはんを口にする。口に運んでも恐怖に怯え、お腹は満たされない。
こんな状況では無かったら、美味しいと感じるのだろう。
しかし、恐怖で食べ物の味が一切感じられないのである。