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荊【R18】

第3章 離さない、汚してあげる。


メイドの朝は早い。

なんせ、ハヤトが起きる前に料理や部屋の掃除をするからだ。

メイドの長?である黒井は40代ぐらいである。黒井は寝ているメイドを起こす。
牡丹は昨日の疲れで爆睡していたところを、起こされた。

牡丹は料理の仕事を任せられた。

まだ半分寝ている体を起こし、メイド服に袖を通す。








「みんな下がれ。」





料理がテーブルに並べられてたちょうどに、ハヤトがダイニングに姿を現した。
これが一文字家の習慣のようだ。





「はい。」





メイドと執事が一礼し退出する。
牡丹も隠れるように退出しようとした。






「牡丹さんだっけ…?君はここにいて?」






2人っきりじゃなく他の人がいると、昨日のハヤトではない表向きの態度が、牡丹に恐怖を煽る。






ゾクリ






昨日の恐怖が蘇る。








逃げられない。








牡丹は足がすくみ、ハヤトにもわかるほどガクガクと震えている。








「返事は?」

「はい…。ハヤト様」。






パタン






返事と同時にメイドと執事は退出し、扉の閉まる音が、牡丹とハヤト、2人しかいないダイニングに響いた。
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