第2章 歓迎
ドンッ
突き飛ばされて床に這いつくばる牡丹の目の前にはステーキが落ちている。
「好き嫌いは許さないから。」
再び頭に足を置くハヤト。
牡丹は言われた通りにステーキを食べようと、恐怖で震えている手を伸ばした。
だが、ハヤトは牡丹の手を力強く踏みつけて、動きを停止させる。
「あ、手は使わないで。
その方が奴隷っぽくてゾクゾクするじゃん?」
そう言うと、綺麗に付けられていた、いかにも高級なネクタイをスルリと外し、牡丹の手首に、痛いぐらいに締め付ける。
「残さず食べて。」
「…。」
「返事は?」
「は…い。」
牡丹は泣きながらステーキを食べる。
ステーキは涙で塩っぱく感じた。
時折、嗚咽を吐く牡丹に頭を押さえつけているハヤトはくっくっくっと嘲笑う。