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荊【R18】

第11章 離さない、楽しいな。


「オマエ、ここのメイドなのか?」

「はっ、はいそうです。」













冷たく、心のこもっていないその声に驚き牡丹は、少し声が震えていた。












「人ってさ、なんつーか、見た目と反して
淫乱だったりするよなぁ。」

「え…?」

「まー、それはさておき、俺は十文寺リツだ。ハヤトとは同い年で従兄弟に当たる。」













リツは、牡丹に笑いかける。その笑顔はわかりやすいほどの作り笑い。目は死んでいて、見下ろす様に目を見つめる。

その姿に、牡丹は、恐怖を覚える。

形容し難い恐怖心に耐えられず、部屋を出ようとすると、回り込まれ、扉を閉められてしまう。

近づいてくるリツに後ずさると、扉にぶつかってしまった。

ドンっと牡丹擦れ擦れに手を突かれ、身体をビクッとささてしまう。牡丹の耳に近づき囁かれる。













「よろしくな、牡丹。」
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