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荊【R18】

第8章 離さない、寂しいよ。


「…ほら、席ついたら?」

「、っ…はい。」











牡丹はハヤトから、1番離れた席に腰を下ろす。

最初から、二人で食べるように並べられていた食事が目の前に置かれている。

目の前にはガーリックとハーブの香りのするチキンが置かれている。まだ出来立てで、薄っすらと湯気が見える。










「美味しいから、牡丹も食べな?」

「はい。」










牡丹の手は震えていて、ナイフとフォークを持つ手がお皿に当たり、静かな部屋にカチカチと音を響かせる。

ナイフで一口サイズに切り、口へ運ぶ。

確かに、とても美味しく、緊張も解け頰が緩む。











「どう?」

「美味しいです!」

「よかった。僕も好きなんだよね。」











何日振に2人はまともに会話をした。

お互いに、その事を忘れさせる食事の時間。

牡丹は、ハヤトがお仕置きをするのは、自分の事を少しでも思ってくれているから、と薄々考え始めていた。
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