第9章 赤紫
「…………」
「ん、一松。あとは二人っきりだな。」
おそ松は一松とバトンタッチしてこの静かな病室には俺と一松、二人きりとなった。
「一松………」
こいつには俺が見えていない。今一松の目には俺の痛々しい傷痕を眼で捕らえた。
「………お前なんかいなくなれば良かったのに」
「………え?」
俺はてっきり祝いの言葉を浴びせられると思っていた。だが、浴びせられたのは非道な辭だった。
「お前なんかあのまま死ねば良かったのに、あのまま死ねばっ…………
こんな苦しい思いしなくてすんだのにっ………!!」