第5章 悪夢
野球の練習が終わり、家の中へ入る。
すると兄弟みんな起きていた。
トド松が話しかけて来た。
「十四松兄さん。ちょっとこっち来てきて!内緒話!!」
そう言うとトド松は僕と屋根に登った。
カラ松兄さんと一緒に歌った場所だ。
「十四松兄さん、あの事、絶対に話してないよね?」
あの事……
僕らのせいで不幸にあった人の事。
まだずっと眠ってる。
「今はまだ、話してないよ。…ただいつか話さなくちゃいけないときが来るはずだけど……」
それを言った瞬間、トド松が僕を睨んだ。
今まで、一度も僕に睨んだ事のない、初めて見た、トド松の顔。
「話したらダメ!!今の状態が一番安全なの!もし話したら、死んじゃうかも知れないんだよ?」
「知ってるよ!!だけどホントの事を知らずに終わるのは………」
真実は絶対に秘密にしなくてはならない。
兄さんが自分で自分の真実に気づくまで。