第5章 悪夢
「よし十四松!投げるぞ!」
カラ松兄さんが力強くボールを投げる。
それを僕がバットで受けとめる。
綺麗な放射線を空で描き、地面に堕ちる。
カラ松兄さんは笑ってた。
「十四松!お前やっぱ上手いな!野球選手みたいだ!」
野球選手……か。
夢見てた頃は幸せだったよ。
野球楽しいもん。
でもトド松や兄さん達は知らなくて、僕だけが好きだった。
僕もひとりぼっち。
兄さんもひとりぼっち。
「マッスルマッスルー!ハッスルハッスルー!」
僕はまたふざけるんだ。
回りからキチガイとか、狂人とか言われても構わない。
だってこれは僕への罰なんだから。