第4章 散歩
俺達は二人で赤塚区を歩き回った。
公園、スタバァ、ラブホ……
ほ、本当に散歩だけなんだな……
なんだかちょっぴり寂しいぞ、一松。
ふと、近くにコンビニを見つけた。
「一松!アイスでも買わないか?俺の奢りだ!」
「は?アイス買う金あるならトド松に借りた金返せや」
うっ、
何気にこいつは兄弟のことを見てるからな……
「そう言うなら一松もおそ松に金を借りてるじゃないか!」
「うっ」
俺は一松に負けじと、張り合った。
「……まぁ、お互い様でいいか」
「ならさっさとアイス買え」
「あっ、ハイ」
コンビニで買ったアイスを近くのベンチで食べていた。
ちなみに一松はぶどう、俺はソーダ味のアイスだ。
「……………」
「……………」
しばらく無言が続く。
喋ってくれよ…………
って俺も話すネタなどないんだが。
話すネタに悩んでいると、一松から話しかけてきた。
「猫、見に来る?」
「ん?」
一松は猫が好きで毎日のように猫の餌やりに行っていた。
あまりの猫好きのためか猫舌で、猫っ毛で、攻撃姿勢になると自身が猫になったりする。
「エスパーニャンコ以外にも猫がいるのか?」
「いるっつーの。だから来て、いや来い。」
一松はぶどうのハズレ棒をゴミ箱に捨てると、すたすたと歩き出した。