第4章 散歩
「いっ、一松はどこか行きたい所とかあったのか?」
俺は少しでも一松と話したい。そんな感じで話して見た。
「あ?別に何処にも。ただ…………何処でも良いから、カラ松と出掛けたかった、それだけ…………」
「!!」
俺は嬉しかった。一松が…俺と出掛けたかった。そういってくれた。
一松は素直な気持ちの時、目を少しだけ開く癖がある。
照れ臭そうに少し目が開いた一松が笑ってた。
「なに泣いてんの、カラ松。」
「?」
目の下を触ってみた。一松がいった通り涙に濡れていた。
「いや……一松が素直な気持ちを話してくれたことに感動してな………」
一松は あっそ と、そっぽ向いた。
「そうだ!」
俺は一松が素直になった時にずっと一松から聞きたかった言葉があった。
「な、なぁ一松、『カラ松兄さん』って呼んでみてはくれないか?」
「はぁ!?」
案の定の返事が返ってきた。
「お願いだ…十四松やトド松見たいに『カラ松兄さん』と一松にも呼んでほしい。」
「………」
一松は俺のつなぎをつまみながら黙りこんでいた。
…やっぱりダメなのか?
下を向いた一松の顔を覗きこもうと軽く体勢を低くした、その時____
「………カラ松兄さん」
「!!」
一松が、カラ松兄さんと呼んでくれた!
弟が兄に『兄さん』と呼んでくれる。強要とは言え嬉しいことにはかわりない。
一松の頬は真っ赤に染まっていた。
「可愛いぞ…一松…」
「やめろ…………照れる………」
「照れてくれるのか!」
「うるせぇ!行くぞ!」
怒らせてしまったか?だが一松に兄さんと呼んでくれたから良しとするか!