第4章 散歩
「カラ松」
「ん?どうした一松?」
最近一松はクソ松と呼ばずカラ松と呼ぶ。
俺の兄弟が俺の名前を読んでくれる。
当たり前のことなのに嬉しいやら、照れくさいやら…
「なんだ一松?俺に何か用か?」
俺は嬉しそうに話しかけた。
だって、一松が俺にはなしかけてくれるのなんて、そうないから。
「散歩、付き合ってよ」
散歩?
「良いぜ、一緒に行こうか。」
俺はいつもの革ジャンを着ようとしたとき、
「散歩行くだけなのに、何で態々着替えんの。置いてくぞ。」
そう言って一松は俺に革ジャンを着せるのを止めさせた。
せっかく一松と出掛けるのだからお気に入りのファッションで出掛けたかったのに。
俺は一松とお揃いの青いつなぎで行くことになった。