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血の争い【黒子のバスケ】

第4章 信頼関係


そして、結紀は、自分の左手首に噛みつく。そこから血が流れ始める。その自分の血を、結紀は舐め取っていく。その行動に、首を傾げてしまう岡村と根武谷。だが、逆に同じ吸血鬼である昴輝と彰は息を呑み込む。

やがて、結紀はゆっくりと構える。その様子を見た岡村と根武谷、それに紫原は息を呑み込む。そう、結紀の雰囲気が一気に変化した。結紀の周りに冷たい空気が流れ始める。そして、結紀は紫原に向かって襲い掛かる。

目の前から襲ってきたのにも関わらず、結紀の気配を感じ取ったのは紫原の背後からだった。紫原は、咄嗟の判断で後ろに殴りかかる。だが、殴ったのは空気のみだ。そこには結紀の姿がなかった。けど、確かに背後から結紀の気配を感じた。

どうやら、今の結紀のスピードがあまりにも早くて、捉えることができないのだ。それに苛つき始めた紫原は、声を荒々しく上げる。

「ふざけんなし〜!!」

それと同時に、無数の鎌が姿を現した。紫原の周りを飛び回る。こんな死神は、結紀達にとって見たこともない。その瞬間、ブシュ!と肉が裂ける音が聞こえてきた。紫原から距離を取る結紀。その肩には、血だらけになっていた。そう、先程の音は、結紀の体が鎌に当たって裂けたしまった音だ。

だが、結紀が怪我をしたところで表情が一切変わらない。痛みが感じないというのはこういうことなのだろう。その事に気付いた昴輝と彰の2人は結紀の傍に寄る。
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