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血の争い【黒子のバスケ】

第4章 信頼関係


今まで一緒にいた岡村や根武谷の表情が一気に驚きへと変えていく。どうやら、この紫原を見たことない…という表情であった。紫原の圧力を感じている結紀、昴輝、彰は、それぞれ息を呑み込む。ビリビリと肌に突き刺さる感じだ。

結紀の頭の中で、危険と警告音が鳴り響く。今の紫原と相手にしてたらあまりにも危険だ。本来なら、ここで撤退をするべきだと賢い選択だが、ここは吸血鬼の領域だ。

ここで撤退をしてしまったら、それこそ敗北の意味である。だからここで撤退してはならない…。暴走している昴輝は、そんな判断は今はできない。撤退という言葉ではなく攻撃という言葉しかないだろう。

「…アイツは俺がやる!」

「しかし、頭首あまりにも危険です。」

「俺がやるって言ってるんだよ!」

昴輝の荒々しい声が響き渡る。今、この場での頭首は確かに昴輝だ。昴輝の命令は聞かなくてはならない。その時…結紀の低い声が聞こえた。

「我(わたし)との約束は?」

「…!!!」

結紀の約束という言葉で、完全に目を見開く昴輝。やっと我に返ったのだ。顔は見えないが、結紀と昴輝の視線が絡み合う。やがて、昴輝は息を吐き出して、落ち着きを取り戻す。落ち着きを取り戻した昴輝を見て、結紀も少しは安心する。

やがて、結紀は昴輝の前に出る。この行動に、昴輝と彰が目を丸くさせる。相当、驚いたみたいだ。結紀は静かに息を吐き出して、紫原を見る。
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