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血の争い【黒子のバスケ】

第4章 信頼関係


紫原の肩から大量の血が噴き出す。紫原は大きく顔を歪ませては結紀から離れる。斬られた方の腕はダラン…と力なく項垂れる。紫原は、力入れようと腕を持ち上げようとしても持ち上がらない。それはつまり…。

「貴方がいけないんだよ。我(わたし)を怒らせたから。」

「…お前!何をしたんだし!」

「…神経を斬らせて貰った。使い物にならないよ。」

そう結紀は最初から紫原が使っている腕の神経を斬るつもりでいた。結紀の言葉を聞いた、岡村、根武谷の顔色が一気に変わった。そして、紫原の血が付いた手を見てペロンっと舐める。

フードで顔は見えないが、結紀の瞳孔が細くなる。紫原の血は、結紀の口の中が徐々に広がっていく。死神の血は、魂を集めれば集めるほど甘くなるもの。紫原の血は、今までの死神の血より甘かった。何よりも後味がとても良かった。

「…貴方、どれだけの魂を貰った?ここまで美味しい血は久しぶり…。」

「…アンタには関係ないし。」

「そうだね、関係ないね。じゃあ、死ぬべきだね。」

結紀の言葉に紫原はゴクリっと、唾液を呑み込む。結紀の言葉はあまりにも冷徹だ。結紀の考えでは、紫原は死神の中で強敵だ。強敵である紫原を早めに始末した方がいいと思っていたのだ。

紫原を残しておけば、次の頭首になるに違いないのだ。ならば、ここで潰しておけば今後の対策にはなるだろう。右手を鋭くさせ、再び紫原に向かって貫こうとした時、そう簡単にやられる紫原ではない。

「ふざけるなっ!!」

紫原の叫び声は物凄かった。雄叫びと共に、紫原の圧力で結紀と昴輝がいとも簡単に吹き飛ばされる。
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