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血の争い【黒子のバスケ】

第4章 信頼関係


「お前ぇぇっ!」

先に声を上げたのは、昴輝だった。怒りの感情に任せて、声がやけに荒々しかった。そして、昴輝は目の前にいた岡村を右脚で吹き飛ばす。蹴る威力は、今まで以上なものだった。昴輝はそのまま紫原に襲い掛かる。

「はぁ?マジ、うぜぇし…。」

紫原は、不機嫌な表情のまま昴輝に殴り掛かる。瞬時の判断で昴輝は紫原の攻撃を避ける。避ける時に、風が鳴り響く。それだけ、紫原の威力は高いものだった。吹き飛ばされた岡村は、戦闘不能っというぐらいに一気に体力が奪われた。

だが、今の昴輝の頭の中は戦闘不能になった岡村に止めを刺すという文字が浮かばなかった。それだけ、昴輝は暴走を始まった。昴輝の瞳には、殺意しか浮かんでいなかった。

けど、次の瞬間、紫原に向かって右足で吹き飛ばそうとした所、それを紫原は掴んでしまった。この事に、驚きを隠せない昴輝。紫原は徐々に力を込める。どうやら、粉々に潰してしまおうとしている。

メキメキっと骨が徐々に砕けていく音が聞こえ始める。あまりの痛さに、昴輝の顔が大きく歪む。

「このまま使えなくしてやるよ。」

「くっ!!」

紫原の声のトーンはあまりにも低く恐怖を感じられる。だが、その瞬間だった。いきなり紫原の目の前に結紀が姿を現した。爪を鋭く尖らせ、紫原が掴んでいる腕を斬り割こうとする。

咄嗟の判断で、紫原は昴輝を放す。それでも結紀の方が速かった。ズシャ!っと肉を斬り裂く音が聞こえた。だが、実際、結紀は紫原の腕を狙ったのではなく、肩だった。
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