第4章 信頼関係
「なんで、当たらないんだし〜!」
紫原は、怒りをあらわにしながら結紀に攻撃を繰り返す。だが、相変わらず結紀はどこか余裕そうに見えてしまう。
「怒って攻撃を繰り返してると、隙がうまれやすいよ。こんな風にね!」
紫原が、結紀に向かって右拳で攻撃した時、僅かに隙がうまれ、その隙を見逃すわけがない。結紀の右脚が紫原を襲う。
ドガンっ!と大きな音が鳴り響き渡った。紫原は吹き飛ばされたのだ。だが、すぐに紫原は立ち上がった。そして、押し潰されてしまいそうな雰囲気を漂わせる。
吹き飛ばされて、相当…不機嫌になったらしい。紫原の体が頑丈なのか、怪我をしている様子ではなかった。その様子から結紀はこの状況を楽しんでるのか、クスっと僅かに笑うばかりだ。
「相当の頑丈を持ってるらしいね…。」
「…捻り潰す。」
紫原の声は今まで以上に低い。背中からゾクリと寒気が感じられる程だ。本来なら、動けなくなってもおかしくはない。結紀は、そんな寒気を感じながらも表情を掛けずに睨み付けるように紫原を見る。
結紀が瞬きをした時、既に紫原は目の前にいた。それはいつの間にかだった。音も立てず、ましてこんなに速いとは誰もが思ってもいなかった。結紀は、守りの体勢になる。
「っ!!」
結紀は守り体勢を取ってたとしても、紫原の拳の攻撃は威力がありすぎた。結紀は、かなり吹き飛ばされてしまった。それも、結紀とは比較ならないほどの威力。
結紀が吹き飛ばされて昴輝と彰の顔色が一気に真っ青になっては、すぐに瞳には怒りを宿す。