第4章 信頼関係
根武谷の攻撃を僅かに苦しそうな表情を浮かべながら、かわしている彰だ。それだけ、強いと分かる。だが、彰の頭の回転は早い。何か対策を考えているに違いない。
「僕だって、負ける気はないよ。」
「そりゃ、楽しみだ!」
彰の言葉に根武谷は、更にテンションを上げる。よほど、戦うことが楽しいのかもしれない。繰り返される根武谷の攻撃を避けて、彰は木の上と高く飛ぶ。
「マッスル!」
根武谷の掛け声と共に、彰が避難した木に向かって攻撃をする。バキバキっ!と大きな音を立てて木が倒れ始めた。すぐに、バタンっ!と大きな音をたて、根武谷は彰の姿を確認しようと近づいた。
しかし、その彰の姿がどこにもなかった。根武谷は、慌てて周りを見回し始めた。だが、気配も彰の姿もなかった。
「どこいった!?」
根武谷が彰に気づいたときには、根武谷の背後に立っていたときだ。根武谷が、後ろを向こうとしたとき、彰の右脚が襲い掛かった。完全に、横っ腹に入り、根武谷が吹き飛ばされる。
ドガン!っと、大きな音を立てた。これは、相当のダメージだ。彰は、ふぅ〜と静かに息を吐き出す。
「お〜お、随分とやってくれるじゃねーか。」
「……効いてないのか。」
根武谷は、何事もなかったかのようなそんな状態で立っていたのだ。余程、体が丈夫なのかもしれない。再び彰は構えるのだった。
紫原と戦っている結紀は、紫原の攻撃をひたすらかわしている。ずっと、かわし続けている為、そろそろ紫原の表情が険しくなってきた。