第4章 信頼関係
「鉄平は、鳳凰族が攻めてきている東の門の守りを固くして欲しいの。土田君は、その鳳凰族と戦って。」
相田は、迷うことなく2人に指示を出す。土田は、どこか苦笑いしていたが、首をコクっと頷き、準備を始める。木吉も、しっかりと頷き準備を始めた。
「よし、援護でもまわる。背中は任せろ。」
「お願いします。」
土田、宮地、そして木吉と3人は出陣した。そして、相田は新作のやつも使用していい…という許可を出した。さて…楽しみだわ…と呟くように言う相田だった。
一方で、人間の領域に攻めてきた鳳凰族で、その頭首は、城の中でその成果を待っている最中だ。椅子に座っては、黙々と書類に何かを記入している。
「人間の領域に攻め込むとは、なかなかだな……赤司。」
鳳凰族の頭首…赤司 征十朗だった。その赤司に向かって言う人物は、虹村 修造だ。今まで何かを記入していた手が止まり、赤司は微笑みながら虹村を見る。
「判断するのに時間掛かったけど、いつまでもそのままっていうわけにもいかないからね。」
「その様子だと、何か策を考えたんだな。」
「あぁ…。それに、オレだけの力だけではないからね。」
「そういや、アイツは?」
「彼なら…今、来るよ。」
赤司は、チラリと扉の方向を見た。そのタイミングで、ゆっくりと扉が開いた。どうやら、赤司が言っていた彼が部屋に入ってきた。その彼は、どこか複雑そうな表情を浮かべていた。
「若…先に読むのやめましょう?」
「あぁ…それは、すまないね。」
「全然、思ってないでしょ…。」
赤司は、僅かに笑みを浮かべながらその彼に謝ったのだ。その会話を聞いていた虹村も思わず笑ってしまった。