第4章 信頼関係
もう1人いるのだ。その人物とは…。
「ごめーん、遅れちゃいました!」
ピンク色の髪の毛が特徴の桃井 さつきだ。そう桃井の情報も他の族とは比べものにならないほど、情報収集がとても上手いのだ。今回、遅れて来たのも情報収集があったからだ。
桃井の腕の中には、大量の資料が抱えられていた。桃井は、机の上に大量の資料を置く。普通の人では、この量は到底出来ない。
「とりあえず、鳳凰族の新しい情報と吸血鬼族の情報を持ってきました。」
桃井の声はどこか自信がありそうだった。桃井が持ってきた資料を凝視する相田。そして、何かを読み取っていた。だが、読み取った瞬間、どこか苦しそうな表情を浮かべた。
「やっぱり、鳳凰族の頭首の数値が、前回よりも上がってるいるわ…。それに伸びしろが見えないから、尚更…まだ上がるわね……。」
「……鳳凰族の頭首は……確か……。」
「…えぇ……彼よ…。」
「……はぁ〜、鳳凰族にはもっと対策が必要だな…。」
鳳凰族の頭首という言葉だけでも会議室の空気は重くなる。それだけ、鳳凰族の頭首は危険人物っと認識していい。すると、今まで聞いていた桃井の口がゆっくりと動き始める。
「1つ疑問に思ったことがあります。」
「どうした?」
桃井は、自分で調べた資料を1つ取る。そこに書かれていたのは『吸血鬼族』という文字があった。
「吸血鬼族の頭首のことです。」
「…確か、昴輝じゃなかったか?」
桃井の言葉に、宮地は不思議な表情をしながら名前を口にする。桃井は、確かにそうですが…と肯定するがどこか納得してないような様子だった。
「あら?何か問題でもあるの?」