第4章 信頼関係
結紀は、静かに息を吐き出して3人は門番に見つからないように、気配を消し人間の領域から離れた。離れる際に、結紀はチラ…と門番の先の方を見たのだった。
「……やられたね…。けど、次は……。」
結紀は、睨み付けては呟くように言った。勿論、昴輝と彰には一切、聞こえてない。そのまま、3人は自分達の領域に帰って行ったのだった。
一方で、時間が進むにつれてどんどん進化していく人間達は、次々と他の族達の対策を練っていた。その人物の中で中心となっているのが、宮地 清志だった。
族の中で一番強いと言われている鳳凰族の対策を考えていた。宮地は、ホワイトボードに描かれている地図を凝視していた。それも、鳳凰族の領域だ。鳳凰族の領域は、人間や他の族よりもかなり広いのだ。
「…くそっ、鳳凰族はどうすればいいんだよ…。刺したくなる…。」
宮地は、物騒な事を呟いていた。それを聞いていた他のメンバーは呆れた表情をしていたが、これがいつもの出来事なのだ。
「宮地君、相変わらず物騒な事を言うわね〜。」
「あぁ?まぁ、いつものことだ。それよりも相田、鳳凰族(あいつら)の分析は終わったのか?」
「まぁ、大体わね…。だけど、あっちの頭首が読めないのよね…。大体の数値が出たけど、もしかしたら、情報よりも高いかもしれない…。」
「………マジか……。」
相田の情報から聞き取った宮地は苦しそうな表情を見せる。その名前は、相田 リコだ。相田は人間なのだが…特殊な能力を持っているのだ。とても珍しいのだ。相手の能力を数値にし、相手のレベルが分かるのだ。しかし、情報収集するのは相田だけではない。