第2章 戦争
「もう、いいか…。始めようか…。」
彰が、そんな事を言い出した瞬間から右脚に力を入れて、火神に向かって距離を縮め攻撃を仕掛けようとする。それを見切っていた火神は、彰の攻撃を避ける。
「悪いけど、ここでやられるワケにはいかない。」
「それは、僕も同じだよ…。狼の君達には負けない…。狩る!」
狼と吸血鬼は、お互いに格闘同士の戦いだ。火神と彰は、お互いに距離を縮めて戦闘開始だ。
既に戦闘モードになっている、昴輝と青峰。ドーンッ!と激しい物音を立てる。そして、昴輝の左脚が青峰に襲おうとしていたが、青峰は余裕でかわす。
青峰は、数歩後ろに下がり昴輝との距離を取る。それを追いかけるように昴輝は逆に距離を縮める。その時だった。青峰が僅かに口元をつり上げ…。
「引っかかったな。」
その一言だけだった。勿論、昴輝にとっては何のことだかさっぱり分からなかった。昴輝が今更、違う気配を感じた。
ふと上を見上げれば、また違う狼族が昴輝に襲ってきた。その狼族とは、霧渓だった。反応は霧渓が早かった。
霧渓の右脚が昴輝に襲い掛かる。昴輝は、左腕を出してガードの体勢をとる。だが、上からの攻撃の為、威力は霧渓の方があった。
「っ!!!!!」
ドーンッ!と大きな音を立ててその場所は、大きな砂煙が立つ。昴輝は、僅かに声をあげていた。そして、上から降ってきた霧渓はすぐさま、離れる。
「作戦通り…と言ったところだね…。」
「そーかよ。」
霧渓は、ニヤリと怪しい笑みを浮かべていた。