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血の争い【黒子のバスケ】

第8章 思い出の欠片


日向の言葉で、それぞれ戻るのだった。お花畑は、何事もなかったように綺麗に咲いたままで、風の影響でユラユラと左右にゆっくり動いていた。

その頃、撤退をした狐族と人間族。会議室には、笠松、黄瀬、氷室、宮地、相田、桃井が集まっていた。華菜は華鶴の治療に付き添っている。

先程の戦闘の反省会をしている。いや、それぞれ疑問に思っていたことがあったのだ。吸血鬼族の頭首だ。

「吸血鬼族の頭首には驚いたぜ。」

「あぁ、だが、桃井の予想は外れていなかった。」

そう桃井の予想していたのは、頭首は変わりの人がやっていたのではないか、ということだ。それは、予想通り。しかし、吸血鬼族の頭首の正体が女性だということは、誰にも予想はしていなかったのだろう。

相田が眉間に皺をよせて考えていた。

「おかしいわね。そもそも、吸血鬼に女性は存在していなかったわ。」

「今までの調べて、そういう存在もなかった。」

今までの吸血鬼族に女性は存在していなかった。それは、誰もが知っており常識的なものだった。しかし、今回では女性がいたことで、今までの常識が覆ってしまったのだ。

相田の意見に同意をしする宮地。黄瀬も不思議そうな表情を浮かべながら、うんうんと頷く。

「確かに、狐族でもそんな話は聞いた事ないっスね。」

「常識ハズレだし、厳重注意だな。」

笠松の言葉に誰もが頷く。とりあえず、この場は解散となりまた別の日に作戦を練ることにし、それぞれ体を休ませるのだった。

夜、月がとても綺麗に浮かんでいた。結紀は、自分の部屋でソファーに座って月を見ていた。月を見れば、無性に悲しく感じていた。"何か"が足りないと…。
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