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血の争い【黒子のバスケ】

第8章 思い出の欠片


その隙に華菜が華鶴に近付き、強く抱き締める。かなり弱いが華鶴は呼吸をしている。まだ、間に合う。華菜は、結紀の方を睨み付ける。その瞳は殺意があった。

だが、その瞳を見た結紀はとくに何も言わない。言った所でまた戦闘が始まる。それは、お互いに避けたかった。その状況から緑間は弓矢を構えるのはやめる。

黄瀬が華鶴の肩を貸し、その場からゆっくりと離れる。笠松は、一度、結紀の方を見たが何も語らず離れる。その時、結紀、昴輝と緑間の頭上に日向達が現れる。

結紀が日向達に頼み事をする。

「悪いんだけど、狐族と人間族が領土出るまで監視お願いしたいんだけど…。勿論、攻撃はしないで。」

「あぁ、伊月、謝りキノコ。監視、頼む。」

「分かったよ、日向。」

「日向さん!その呼びないつまで、続くんですか!あ、すみません、すみません!」

日向の指示で、伊月と桜井が狐族と人間族が完全に撤退するのか監視することになり、飛び立って行った。何故か、最後の最後で桜井が誤ったのか不思議で仕方なかった。日向曰く、いつものことだそうだ。

やっと落ち着いた空気となる。いち早く助けに来た昴輝に結紀はお礼を言う。

「…ありがとう、昴輝。」

「いや…お前が無事ならいい。」

昴輝はそんなことを言いながら結紀の頭を優しく撫でる。昴輝の手はとても温かかった。ついつい、その温かさに委ねてしまいそうになる。撤退を確認し監視をしていた伊月と桜井が戻って来た。

「日向、完全に撤退したぞ。」

「そうか、じゃあ、戻るとするか。」
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