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血の争い【黒子のバスケ】

第8章 思い出の欠片


互いに思い空気を感じ取っている。その時、矢が結紀の横を通り、森の方へと消えて行った。グサッと鈍い音を立てて、森の方で誰かが倒れる。

振り向けば、緑間が弓矢を構えていた。視線は森の奥の方を見ていた。そう、この場に結紀達以外にもいるのだ。

「オレの矢から逃れられないのだよ。全て、撃ちぬく。」

「流石、緑間っち!相変わらず、命中率凄いっスね~。」

「なに、敵を褒めてるんだよ!!」

黄瀬が敵である緑間に対して褒めたため、笠松は思いっ切り蹴りを入れる。その際に、痛いっス!と騒ぐ黄瀬。誰もが、アホな光景を見ているのだと、拍子抜けになってしまう。

「でも、せっかくなんスから、人間族のスナイパーの威力見ておきたいっスね。」

"スナイパー"という単語に、僅かながら驚く結紀だったが表情に出さないようにする。気配で探ろうとしても、人間族が近くにいるという感じは全くない。

人間の作った武器は侮れない。まして、技術が進んでいる為、油断はできない。流石の緑間でも焦りを感じていた。緊迫した空気となる。

すると、気配を消していた華鶴が一気に結紀との距離を縮める。だが、それでも結紀は焦ることはなかった。何かを感じた笠松が華鶴に叫ぶ。

「よせっ、華鶴!」

「―――昴輝。」

結紀が彼の名前を呼ぶ。結紀の声に反応し、昴輝が動く。昴輝は右手を鋭くさせ華鶴の腹部を貫き、ついでとばかりか右腕を掴み折る。バキッ!と高い音が響く。

「ぐっがぁぁ!!」

あまりの痛みで華鶴は声を上げる。その様子を見向きもしない結紀。
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