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血の争い【黒子のバスケ】

第8章 思い出の欠片


結紀自身でも不思議に思っていた。だが、次にやることは決まった。結紀が目を瞑ったことに、この場にいる氷室達は、諦めたのか…?と思っていた。

その時、結紀は瞳を開く。瞳孔を細め、金色に輝いていた。そして…。

「昴輝っ!!」

昴輝の名前を叫ぶ。結紀が仲間を呼んだことに気付いた黄瀬達は周囲を警戒するが、それも遅かった。いつの間にか、華菜と華鶴は強い腹部の痛みを感じて吹き飛ばされ、殺気に気付いた黄瀬と氷室も結紀からすぐに離れる。

氷室が離れたことで結紀が起き上がり立つ。よく見れば、結紀の横で跪いている昴輝の姿があった。

「頭首よ、昴輝はここに…。」

昴輝は、冷静に落ち着いた声で結紀に伝える。だが、昴輝からかなりの殺気を感じる。これだけ怒っているのは久々と思っている結紀。

他の頭首にはない結紀の能力は、契約を結んだ者の名前を言うことで、無条件でその場に呼ぶことができる。どんなに離れた場所でも呼べる。だが、契約を結んだ者、結ばれた者の互いは"一生"離れることができなくなる。見えない鎖に繋がれているのだ。

「まさか…とは、思っていたが…。やっぱりな。」

「笠松センパイ!!」

堂々と姿を現す笠松。鋭い目で、結紀や昴輝を見る。

「…狐族の頭首。」

「お前は、吸血鬼族の頭首だな。その正体を隠すために、仮の頭首を用意していたのか。」

笠松の頭の回転は速い。だが、笠松の言葉に結紀は返事を返さない。
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