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血の争い【黒子のバスケ】

第2章 戦争


その威力を見た、緑間と高尾は目を大きく開くばかり。2人にとって、吸血鬼の中でこれほどの実力者は初めてみたからだ。

高尾は、左横っ腹を抑えながら結紀の方を見ていた。

「あっぶねぇ…。マジで、死ぬかと思った…。」

結紀は、高尾の様子を見てはすぐに視線を変えて矢が刺さった彰に近付く。右腕から矢を抜き取る。その一瞬だけ、彰は苦痛の表情を浮かべる。

それに気づいた結紀は、小声でごめんね、と優しく言うと、すぐに緑間の方向を向く。先程、緑間が放った矢を結紀は、緑間に向かって投げる。

そのスピードは、緑間が放った矢のスピードと変わらなかった。それに驚きながらも緑間は避ける。避ける際に、視線は結紀から外れる。

その瞬間を利用しては、右足に力を入れて緑間に向かって大ジャンプをする。緑間が、結紀に気付いた時には既に目の前にいたのだ。

「っ!?」

結紀は、爪を長く伸ばし緑間を切り裂こうとしていた。下から上へと振り上げる。緑間の頬が切れそこから血が流れ出す。

飛び散った血は、結紀に引き寄せられる。そう、吸血鬼は相手の血を吸収する力があり、それによっては回復をする。

「真ちゃんッ!!」

高尾は、結紀に向かって矢を放つ。しかし、それをいとも簡単に体を捻り、かわしてしまった。そして、地上に引き寄せられるように落ちていった。

緑間は、悔しそうな表情をしていたが高尾に呼びかける。

「高尾、ここは一旦、引くのだよ。」

「了解、真ちゃん。」

そして、緑間と高尾は翼をバサバサと音を立てて、吸血鬼の領土から出て行った。
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