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血の争い【黒子のバスケ】

第7章 護るべき者


結紀が日向達に何か言おうとした時、弱々しい声で彰が言う。

「…結紀…、良かっ……た…。無……事で…。」

彰は、本当は痛くて苦しい筈なのに声に出して結紀に伝えようとしている。その姿を見た結紀の心臓が締め付けられる感覚で苦しく感じた。それは、昴輝にも伝わっている。

「…彰、喋らないで。治療し――――」

「ぼ、くは………結紀を……ま、もれた…かな…。」

「だから、お前喋るなよ!」

結紀の言葉を遮る様に話続ける彰に対して、昴輝は強く言ってしまった。手を握っている結紀は、彰の体温が冷たくなっていくことが伝わっていた。時間がない、と結紀の脳内で鳴り響く。

だからなのか、いつの間にか結紀の頬には涙が流れていた。すると、彰は左手で結紀の涙をゆっくりと拭う。

「…泣か、ないで…。僕…は…結紀の……わら…ってる、方が……好き…だ…よ。」

彰がどんなに苦しく痛く感じてもそれでも結紀に微笑みかける。その微笑みを見ている結紀の心は更にきつく縛りつける。そして、彰は昴輝の方を向いて言った。

「昴輝……結紀を…まも、って……。」

「……お前……結紀との約束は、どうするんだよ!!」

昴輝の言葉を聞いた彰は、ハッとして僅かに目を見開く。すると、彰は最後に力を振り絞って起き上がり結紀を抱き締める。
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