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血の争い【黒子のバスケ】

第7章 護るべき者


昴輝の気持ちは痛いほど結紀にも伝わっている。その様子から赤司は鳳凰の羽を広げて、その場から離れて行った。よく見れば他の鳳凰族も飛んで行っている様子だった。

「フード野郎が女だったとはな…。」

遠くの方からヨロヨロと歩いて来る白銀。結紀の攻撃は相当だったみたい。白銀の言葉を聞いても結紀は表情を変えることはなかった。

「失望したか?死神の頭首よ。」

「いや、寧ろ面白くなってきやがった!お前の魂、絶対に貰う!」

白銀はニヤリと笑っては消えて行った。死神も撤退したということだ。撤退したことを確認すれば、結紀の瞳はいつも通りの黒へと戻っていた。

そして、倒れている彰に近づく。昴輝が優しく彰を抱き抱える。彰の出血が多く、いくら治癒能力が高い吸血鬼でもこの量ではほぼ助からない。

それを確信してしまった結紀の心臓が、大きく速く脈を打つ。彰の両手を握れば冷たくなっていた。だが、僅かにそれも弱々しく呼吸はしていた。

「おい、無事か!?」

遠くの方から戦闘を終えた日向達がやってきた。3人の状況を見た日向達が言葉を失う。

「一体、何があったんだよ!?それにお前は…?」

高尾が3人に思わず言ってしまった。それに結紀の姿を見て驚いていた。無理もない話だ。今まで顔を見せていなかったのだから。

「まさか、吸血鬼族頭首の正体は、女性だったとは…。」

「えぇ!?顔を見せたくなかったのがこの理由だったんですか!?え、あ、すみません、すみません!」

別に悪い事は言ってもいないのに、謝り始める桜井。
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