第7章 護るべき者
「お前の目的はなんだ?」
「…お前を始末する。それも苦しみながらね。」
「…っ!」
赤司とは距離を取っていたはずなのに、昴輝の目の前に既にいたのだ。気付いたときには、腹部に強い衝撃をくらい吹き飛ばされたのだ。ドガーン!と大きな音を立てて、昴輝の口から血が流れ出す。
「ぐっがぁ。」
「…吸血鬼の頭首は、この程度なのか?」
赤司の声が聞こえてきたのは、昴輝の頭上。どうやら赤司は昴輝に休む暇も与えないらしい。この場所にいた誰もがわかった。今の赤司に、誰も勝てない。殺されるだけなのだと。
あの白銀すら、赤司には勝てないと感じていた。だが、今は同盟同士なのだから殺される心配などなかった。白銀は、右足で彰を蹴り吹き飛ばす。白銀は、ニヤリと笑いながら結紀に言う。
「このままじゃあ、お前の頭首…赤司に殺されるなぁ〜。」
「…頭首は………昴輝は、殺させはしないっ!」
結紀は、白銀に睨み付けて鋭い爪で切り裂こうとした。その攻撃をよけ、再び結紀に振り落とそうとする。だが、この動きを読んでいた結紀はすぐによけ、白銀を左足で吹き飛ばす。結紀の心の中で不安や怒りの感情でいっぱいになっていた。
赤司と昴輝の戦闘は激しさを増す。だが、赤司に傷1つもつけられない。動きが完璧、全ての攻撃を読まれている。再び、赤司に吹き飛ばされた昴輝。そして、赤司は昴輝の右腕を踏む。
その瞬間、バギっ!と大きな音か鳴る。右腕が折れたのだ。激痛のあまり、昴輝は声を上げることすらできなかった。