第7章 護るべき者
そこに居たのは、赤司だった。左右違う瞳で、結紀を見る。その瞳を見た結紀達は、ゾクゾクと背中から凍るような感覚になった。今までとは何かが違う…と結紀が思っていた。
「…僕を怒らせたんだ。頭が高いぞ。」
「っ…。」
赤司の言葉は、とても重々しかった。その言葉だけで、体が潰されそうになる。赤司は、もう既に戦闘体勢に入っている。油断をしていれば、すぐに殺されてしまう。そういう危機感を覚えていた。
「さすがのフードでも、危険を感じてるみてぇだな。」
「……死神の頭首…。」
よく見れば赤司の横には、死神の頭首…白銀がいた。どこか楽しそうな表情をしながら、白銀は結紀を見る。その前に庇うように立つ彰。白銀は、大鎌を手に持ち赤司に問い掛けた。
「なぁ、赤司。フードのやついいかー?」
「別に構わないさ。僕の狙いは違うからね。」
「…決まりだな。」
白銀は、ニヤリと笑っては姿を消す。その事に危機感を覚えた結紀達は警戒を高める。そして、白銀が姿を現した結紀の真後ろだった。大鎌が右から左へと振り払われる。
まずいと感じた結紀は、すぐに大鎌を避け白銀から距離を取る。自然と結紀の傍に付く彰。赤司は昴輝に任せることになった。
「そんじゃあ、殺し合いしよ〜ぜ!」
「僕が前線に出るからフードは、サポートをお願い。」
「……分かった。」
なるべく危険な戦闘を避けるようにする彰の気遣い。結紀は、頷くことしかできなかった。一方で、昴輝は戦闘体勢に入って赤司に言う。