第2章 暗殺の時間
寺坂くんが言うには、
先生が一番油断してる顔のときに僕が刺しに行く。
・・・それだけじゃ済まなそうだけど。
「抜け出すんだよ、このクソみてえな状況から。
たとえ・・・どんな手を使ってもな。」
そう言って寺坂くんは僕に小さな袋を渡して去って行った。
まぁそれで何となく予想はついた。
確かに、寺坂くん達の言う通り
この酷く差別され続ける状況から抜け出すには
僕たちの唯一のチャンスなのかもしれない。
そんなことを考えていると、
僕のE組行きが決まったときの同級生達や先生に
突き放されたときの事を思い出した。
『渚くん・・・何してるの?』
「!!
・・・綾乃ちゃん・・」
・・・いきなり呼びかけられてびっくりした・・
僕はさっきの袋をすぐに自分の後ろに隠した。