第12章 緑の紋章
しばらくするとタクシーが迎えに来
て、
櫻井が俺を抱えるようにして乗りこ
んだ。
櫻『なぁ、着いたら外に出てきてく
れるように彼にメールしておいてよ。
』
松『う~ん…? 大丈夫大丈夫。』
櫻『ダメだこれ…。
すみません運転手さん。 この人置い
てすぐに戻りますので家の前で待って
もらえます?』
もうすでに記憶は途切れ途切れだった
けど、運転手と話す櫻井のそんな声が
耳に残る。
…なんか、母さんみたいだな。
櫻『おら。 家着いたよ。
ニヤニヤしてないで。
ちゃんと立って、明日からちゃんと
彼と仲良くするんだよ?
いいね?分かった?』