第5章 アルハンブラ宮殿
次の日、家を出てきて、俺はバス
に乗る。
大『心配しすぎだっての。
そんなに誰も彼も俺の事が好きなんて
ある訳ないし…』
こっちに来てから言葉が通じないのも
手伝ってか1人言が多くなった気がす
る。
松本とのアパートからのバスは窓の
外を眺めると、アルハンブラ宮殿が
見える。
大『宮殿もいいよな~。今度、潤くん
誘ってみようかな。』
そうつぶやいて、その後はただひた
すらに景色を眺めて着くのを待つ。
二『大野さん! おはよう。
今日は夜、よろしくね。』
会社に着くと、二宮が後ろから来て
声をかけてきた。
大『おはよう。 よろしく。
あれ? なんかいい匂いする…』
何となく、昨日挨拶した時より
身綺麗になったような気がする…。