第5章 アルハンブラ宮殿
ハビ『hey! NINO ちょっといいかな
新しく入った子を紹介するよ。
大野智くんだ。仲良くしてやってくれ。』
まったく気がつかない様子の彼にハビエル
は肩をすくめて声をかける。
大『大野です。よろしくお願いします。』
俺が挨拶をすると、びっくりしたように
彼は顔を上げた。
……あれ?
二『あれ? 新しく入ったのって大野さん
だったんだ。 俺。 覚えてませんか?
ジェームズのシェアハウスで一緒だった…
二宮です。 二宮和也。』
大『ああ~! そうだ。
見た事ある人だと思ったんですよね。
髪型が変わってて気がつかなかった』
あの時あった彼は、ヨレたシャツに目を
隠すように伸びた髪で浪人中の大学生の
ような風貌だったから。